追記;コンサート

ビーバーネタを書いたあとにビーバーを書くのはわざとではないんですが。
(ビーバー違いです)


******************************



Heinrich Ignaz Franz von Biber 1644−1704
(ハインリヒ・イグナーツ・フランツ・フォン・ビーバー)
かの有名なバッハと同じくバロック時代に活躍した、チェコ(当時のボヘミア)生まれの作曲家でヴァイオリニスト。
しかしバッハよりも40年ほど前に産まれているし、活躍したのはオーストリア・ザルツブルク。


先日聞いたコンサートはこのビーバー作曲の「Rosenkranz-Sonaten」(ロザリオのソナタ)をヘンデル・ハウス所蔵のヴァイオリンを使って、Theorbe(テオルボ/ボディはリュートっぽいけどネックが凄く長い通奏低音楽器)とチェンバロとポジティフ・オルガンとのもの。
Händel-Haus では毎回ではないけれど、時々所蔵楽器をコンサート+解説付きで行っている。


**************



ヴァイオリンは楽器製作(現在は特に金管とアコーディオン)とウィンタースポーツで有名なザクセン州のKlingenthal (クリンゲンタール)と言うチェコとの国境沿いの街で、1781年、Friedrich Wilhelm Meisel(フリードリッヒ・ヴィルヘルム・マイセル)が製作したもの。


特記すべきことはこの楽器、オリジナルのネックとチューニングピンを持っていること。
ヴァイオリンはチョンバロほど改造や大きな進化もしていないので、オリジナル部分が多いと言える。
チェンバロはRavalement(ラヴァルマン・フランス語で改良・改造)という過去に作られた名器を良くも悪くも大改造(grand ravalement )だったり、ちょっと弄ったり(petit ravalement)と18世紀半ばにブームだった。


同じように18世紀末にチョンバロほどないにせよ、人は大きな音を求め、ヴァイオリンも改造されることがあった。
楽器を良く知らない人でも知っているような、ストラディヴァリもアマティもグァルネリのヴァイオリンも、大抵「駒」と呼ばれる楽器の中心に載っている(琴で言う「柱」)部品はオリジナルではない。むろん消耗しやすい弦も。(当時の主流は羊腸のガット弦)

大きな音量を求められると必然的に、駒の大きさ(高さ)を変え、弦を強いものにする。音域を広げたいならネック部分も取り替えることになり、張力が上がると言うことはチューニングピンも新しくしなければいけない。


と言ったような当時の風潮の中で、楽器のネックとチューニングピンがオリジナルと言うことは、かなり希少性が伺える。





ヴァイオリンという楽器には4本の弦が正面左側・低音からG線(ソ/g)・D線(レ/d1)・A線(ラ /a1)・E線(ミ/e2)と完全5度で張られている。

バロック時代まではこの基本的な調弦が共通しておらず、時々作曲家が曲によって任意の調弦の指示を書いている。
この調弦方法をScordatura(スコルダトゥーラ)と言い、調によって喜びや悲しみその他諸々を響き方で表してており、印象が変わる。
もちろん現代の調弦の仕方で楽譜を移調すれば、平均律なら異名同音として弾けるけど・・・微妙に違ってくる。
今回のコンサートはこのやり方を駆使した作品で、ヴァイオリニストはかなりのテクニックが必要。


**********



今回私の聞いた「Rosenkranz-Sonaten」(ロザリオのソナタ)は題名から分かるように、キリスト教での聖母マリアの生涯を受胎告知から、そしてキリストの受難・復活・戴冠までの15の場面の章に分け、最後にヴァイオリンの無伴奏曲で締められた、計16章の宗教曲になる。
そしてスコルダトゥーラは各章このような感じ。(Wikiからの転載)





上記15の場面は5章ずつ3つのGeheimnisse(神秘)に分けられる。
私はクリスチャンでないので若干アバウトになりますが、以下ドイツ語は当日もらったプログラムから、日本語訳はWikiから、太文字が今回の演奏したプログラムとなる。


    Freudenreiche Geheimnisse(喜びの神秘)

  1. Jesus, den du, o Jungfrau, vom Heiligen Geist empfangen hast.(聖母マリアの受胎告知)
  2. Jesus, den du, o Jungfrau, zu Elisabeth getragen hast.(聖母のエリザベト訪問)
  3. Jesus, den du, o Jungfrau, in Betlehem geboren hast.(主の誕生)
  4. Jesus, den du, o Jungfrau, im Tempel aufgeopfert hast.(聖母、主を神殿に奉献)
  5. Jesus, den du, o Jungfrau, im Tempel wiedergefunden hast. (神殿での主イエスの発見)


  6. Schmerzhafte Geheimnisse(苦しみの神秘)

  7. Jesus, der für uns Blut geschwitzt hat.(オリーヴ山での苦しみ)
  8. Jesus, der für uns gegeißelt worden ist. (鞭打ち)
  9. Jesus, der für uns mit Dornen gekrönt worden ist.(茨の冠)
  10. Jesus, der für uns das schwere Kreuz getragen hat.(十字架の道行き)
  11. Jesus, der für uns gekreuzigt worden ist.(十字架上での死去)


  12. Glorreiche Geheimnisse(栄えの神秘)

  13. Jesus, der von den Toten auferstanden ist. (主の復活)
  14. Jesus, der in den Himmel aufgefahren ist.(主の昇天)
  15. Jesus, der uns den Heiligen Geist gesandt hat.(聖霊降臨)
  16. Jesus, der dich, o Jungfrau, in den Himmel aufgenommen hat.(聖母の被昇天)
  17. Jesus, der dich, o Jungfrau, im Himmel gekrönt hat.(聖母の戴冠)



Schutzengel(守護天使)


****************



注)まさかこんな面白い話が聞けるとは思ってなかったんで、メモ無しの私のショボイ記憶力のみですので、多いに間違っているかも。


この楽譜が発見されたのは19世紀末ニュールンベルク(?とりあえずバイエルン)の公文書保管所で、20世紀初頭にビーバーの作品だと言うことが分かったは良いが、この全16章の曲の表紙が抜けており、宗教曲だが何のために作曲されたかは分かっていない。(特に最後の「守護天使」のみヴァイオリン独奏なので)
特徴的なのは各章の最初にその曲のモチーフとなる版画が添えられている。


デジタルライブラリへ
(クリックして行くとページがめくれ、オリジナルの譜面と版画が見れる)



今回、私が聞いた時には演奏されなかった(全部演奏するとCD2枚分)けど11章目の曲のスコルダトゥーラの指示は「真ん中の2本の弦を駒と駒とチューニングアジャスターでクロスさせること」。


どんな感じかと言うと、こんな感じ。(画像はWikiからの転載)





楽器としてこんなことして大丈夫なのかは分からない。
だが、色々なオタク もとい、専門家は調べた。
このクロスは十字架から来ている(ちょうど曲としてもイエスが復活するところ)、他にも各章の音符の数を数えたところ宗教的に関連した数字がでる(292とか97?うろ覚え過ぎて当たってないかも)とか、天文学者ケプラーの法則によって音符数が決められ云々・・・。


ちょっと突飛過ぎたのもあったりしたが、この「ロザリオのソナタ」の別名「ミステリー・ソナタ」。


謎の多いソナタだが、非常に魅力的。
あまりに調弦回数が多い、もしくは楽器をチェンジすることが多いので全曲演奏を1日ですることはなさそうなので、早速、iStoreで購入。。。
非常に良いです。


バ・ロッカー(バロック好き)にはお勧めです。






こんなにモリモリ書いておきながら、実はどっちのビーバーも全く関係ない内容の入試が来週末にあったりすると言う・・・。


何してんだ、自分。。。



チーズ

チーズは嫌いです。

でもピザは好きです。

でもそれ以外のチーズは、「大人モードの西田君」の時しか食べません。
(私のチーズ嫌いを知らない人からチーズを出されれば(頑張れるだけ)食べる)


ドイツに住む日本人の知り合いが良く言っている。
ドイツでは日本のデパ地下に売ってるようなチーズ(高い+種類が豊富)が普通にスーパー(安く)売っている。
私のチーズ嫌いを知ると大抵、「ドイツにいる意味が半分ない」と言う。



いいんです。
その分、ビールでカバーします。




それはさておき。


私が今通勤しているヘンデル・ハウスの修復工房は昔からの習慣で、毎朝みんなで朝食をとる。
朝食時は世間話だったり、世間話だったり、ミーティングだったり、世間話だったり。。。

ドイツの典型的な朝食なので、パンにハムかサラミか蜂蜜かチーズ。普通はここにコーヒーなんだろうけど、うちはドイツじゃ珍しい紅茶派。

毎日、朝から無理して頑張るわけにはいかないので、既にチーズ嫌いは公言済み。
ただ先日、みんなが食べているチーズが話題になっていた。



商品名「オランダ・チーズ」と書いてるのに、原材料「デンマーク製チーズ」で、販売国は「ドイツ」。

私もみんなも「おお、何だ、そのチーズ!」なんて言っていたけど。



よぉぉぉぉく見ると・・・




穴空きチーズ。


(HöhlenkäseをHollöndischeと間違った??)


誰?!言い出しっぺ!!


朝食時、老眼鏡をかけ忘れると、こう言う話題がホットになる。



お引っ越ししました

3月からのヘンデル・ハウスでの研修再開のため、引越しました。

 

ここ数年、年に2回は引っ越している。。。
ルノーのKangooを借り、友人らの手を借り、スピード狂の西田さんが高速90キロでしか走らないので、トラックの運ちゃんにも抜かされ、Halleへ運ぶ。
このサイズの車、乗り馴れてない上に、バックミラー付いてない(後ろは完全トランク)ので、サイドミラーと助手席の友人の笑顔で車線変更。
最近すっかり熟れてきて、もうすぐ引越マイスターになれるかもしれない。

しかし、どんどん身軽になるが、そろそろ定住したいなぁ。
手の甲の火傷も何だかんだ1年を迎え、これを実際見た人は「思ってたより綺麗」とのお言葉。
私の細胞もがんばっているようです。

 

来週は大学巡りです。