スーパーダイジェスト 6月 その3

Halleから南西へ20kmほど行ったところにBad Lauchstädt(バート・ラウフシュテット)という小さな街がある。

街の名前に「Bad」がつくものは大抵Kurort(クアオルト・保養地)の場合が多い。(昔はそうだったけど、今は違うと言うパターンもある)
ここも例に漏れず、保養地の一つ。
ちょっと年齢層の高い人がツアーで来てる感じがするが、それだけがメインではない。


Goethe-Theater(ゲーテ劇場)と呼ばれる、かの有名なゲーテがワイマール劇場トップディレクターの時に買い取り、夏シーズンに定期的に演劇が催されそう。(昔の貴族は夏の避暑にこう言う保養地に訪れる)
ただ劇場の設備に不満足だったゲーテが、宮廷建築家とかの協力を得て建直したものが、オリジナル(しかも現役!)でこの街に残っている。


ゲーテ時代のなので、舞台の大きさも客席の大きさも非常にコンパクト。
(狭いながらも、ちゃんとオケピもある)

しかし、ここの舞台装置はすごい。
まず、これ。舞台上の四角い切り抜き。
現代じゃ割と普通だけど。上下可動式の登場装置。


しかし、勿論ここはゲーテ劇場。1800年頃の代物ですから、床下は・・・・

人力!!!




勿論、シーンはずっと1つの場面じゃつまらない。けれど、シーンごとに暗幕降ろして総入れ替えしてたら雰囲気ぶちこわし!
でもさすが。舞台際を見るとスライド式で、3シーン背景早変わり!


しかし、勿論ここは(以下略)
床下ではこんな努力が行われている。




舞台装置もすごいけど、入り口にあるチケット販売窓口も工夫がされている。
1800年代当時はTaler(ターラー)と言う単位のお金が流通していたが、3つのコインが素早く分けやすく、チケットが買いやすい。




勿論今はユーロですから、活用さているかは分かりませんが。




ここはヘンデル音楽祭の際、オペラ上映をしています。ちょっと公共交通機関は不便なんで、ハレの中心部からシャトルバスに乗って見に行くんですが、さすがに小さな劇場なんで、毎年気がついた時にはチケットが完売してます。
私は去年も今年もアウトでした。(基本館内がヘンデル音楽祭仕様になり始めてから動き出すので)


興味がある方はチケット販売開始時期、要チェックです!
もちろん、それ以外の時期も何かしら上映してます。→Goethe-Theater



今回は例のごとく金魚の糞でついてきてたのですが、思いのほか裏方さんも愉快な人が多くて、踊ってて良いよーなんて言われても・・・

でも200年前でもこのクオリティ。舞台装置も含み、修復・保存しつつも大事に使われている感じがした。




スーパーダイジェスト 6月 その2

ハレ大聖堂 Dom zu Halle


「大聖堂」と言う名前のつくものは基本、ある一定の役職の宗教家(司教とか)が常駐しているものなんですが、ここの場合はそう言う人はおらず、この辺地区を治めていた権力者(枢機卿)がこの教会の横に住居の一つを建てたので、そう言う名前になったそう。
マルティン・ルターはこの近辺出身で尚かつ活躍もしたこともあって、北ドイツ、東ドイツはプロテスタントが主流。(州の祝日もプロテスタントでのほう)
元々Domと言う名前自体カトリックで建設当時はカトリックだったこともあってそのままですが、そのルターの宗教改革もあってこの大聖堂はプロテスタントです。





ここのオルガンは修復のための寄付を募ってます。


もちろん、ここでもヘンデル音楽祭で毎年コンサートをやっています。(街の至る教会やコンサートホール、劇場などが使われる)
今年は2年ぶりにきた指揮者でガンビストのJordi Savall(ジョルディ・サヴァール)と彼のオケ。
ボヘーと教会の大聖堂について話を聞いていたら、ゲネプロ準備でやって来たサヴァールと遭遇。


裏返った声で「ハロー」と声をかけた小さいアジア人はかなり怪しかったと思われる。。。



スーパーダイジェスト 6月 その1

毎年HalleではHändel-Festspiele(ヘンデル音楽祭)が、隣の街LeipzigのBach-Fest(バッハ音楽祭)の前に行われる。

バッハ音楽祭で必ず「h-moll Messe(ミサ曲 ロ短調)」が演奏されるように、ヘンデル音楽祭も必ず演奏される曲目「Messiah(メサイア)」がある。
多分そんなに音楽好きでなくても、大抵小学校か中学校の時の音楽の授業で耳にしたことがあると思うけど、あの「ハレルヤ」の含まれているオラトリオ。



演奏家が持ち込みでない限り、ヘンデル音楽祭で使用される楽器はヘンデル・ハウスで貸し出し、調律も行います。


一応、調律だったり運搬だったりの予定は組まれているんだけど、予定通りに行くことは稀。
それ以外にも連日、博物館の方は世界各国からやって来たお客さんで大わらわ。
つまり2週間くらいは、うちの工房はカオスで通常通りなのは私だけ。



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そのメインのメサイアに使用する小さいポジティブオルガンの調律は一人でも出来るんだけど、あっち(鍵盤側)こっち(パイプ側)の移動が面倒なのと、膝が痛いってことで調律のお手伝い。



オルガン調律中(動画)
「weiter」と次の音へのかけ声がかかり、慌てて撮影終了。



Marktkirche(マルクトキルヒェ)には主オルガンと呼ばれる大きなオルガンと、コーラス用のオルガンがある。

今メインで使われているHauptorgel(主オルガン)。



Chororgel(コーラス用オルガン)である1664年、Reichel(ライヒェル)作のオルガン。

このオルガンは若きヘンデルも弾いたことがあると言う代物。音は出るらしいけど現役ではありません。
このオルガンは当時のの教会の信者さん(有名な7家族)だけの寄付だけで購入したそう。と言うことで、パイプの下の8つのシールドは、7家族の家紋と街のシンボルが装飾されている。
当時としては結構なお値段なんだけど、それを7家族だけで払いきれてる当時の教会の権力を感じます・・・。ブルブル。




そして私は調律手伝いのご褒美にメサイアのDienstkarte(関係者用ののチケット)をゲット。




こんな仕事でチケットもらえるのなら、いつでもウェルカム!!